装置の構造
予め溶質を溶媒に混合した処理液を、超高圧ポンプで加圧し、懸濁液がノズルを通過するだけ処理が終了する。
図-2に示すように、処理の前後で結晶構造に変化が無く、素材の特性を変化させずに微細化できる。
図-3は、ジルコニアを粉砕したときのX線回折で、角度・強度共に変化が無く、また、粒子にメカノケミカルによる異物の発生や変化がないことが分かる。
処理部
本装置は「キャビテーション・ノズル」を効果的に応用した装置で、図-3に本装置でキャビテーションを発生する代表的な形状を示す。
昨今の電子材料は、ガラス(非晶体)やセラミックスなど非常に硬く壊れにくい素材の処理が多くなり、ノズルの材質も標準で焼結ダイヤモンド・単結晶ダイヤモンドを使用している。
さらにこれまでの経験を生かし、処理物の粘度・その他の条件により、逆止弁や高圧シール部の構造・素材に適切なものを使用している。
処理原理
「キャビテーション」は、流体機械などで流体が加減速され、液体の圧力がその液体の蒸気圧より低くなると、そこで液体が気相化し泡が生じ、もとの圧力に戻ると泡が消滅(崩壊)し、衝撃力を生じる現象である。
次に、本装置におけるキャビテーション発生原理をベルヌーイの定理を用いて簡易的に示す。
超高圧ポンプで加圧された懸濁液は、ポンプに連結された微細な流路を超高速で通過する時に圧力のエネルギーが運動エネルギーとなり急激に減圧され溶媒中にキャビティーが発生する。
次に、ノズルの出口から解放された所で、速度が低下し圧力が大気圧近くまで戻るので、キャビティーは消滅し、この時に、図-5に示すように、高衝撃力が発生し、キャビティー近傍にある溶質を破砕する。
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